脂肪融解レーザーおよび脂肪吸引のリスク、トラブル一覧
A) 感染(化膿)
術後、熱感・痛み・腫れが増す、あるいは長引く場合には感染が疑われます。
対応
感染が起きた場合は、内服薬服用や抗生剤の投与、洗浄をします。膿がたまった場合は、切開して膿を出す処置が必要になることもあります。
B) 血が溜まる
術後、傷の中で出血して血が溜まると吸引部が紫色に腫れ上がります。血が溜まった状態が続くと化膿したり、しこりになるため早めの処置が必要です。
対応
血が溜まった部分に針を刺すか、切開して溜まった血を排出する処置を行います。
C) 取り残し
術後、思ったより細くなっていないと感じる場合があります。術後3カ月は、腫れやむくみが長引いている可能性があります。
対応
3~6カ月経過しても脂肪が残っているのが気になる場合は、脂肪溶解注射をおすすめします。あるいは、再手術をします。
※ 細くできる量や範囲には限界がありますので、予めご了承下さい。
D) 陥没・凹凸
脂肪が部分的に取れすぎたり残ったりすると、陥没や凸凹ができます。また、脂肪をしっかり取ると皮膚と筋膜が癒着するため、皮膚の表面に凹凸が生じやすくなります。皮下脂肪が少なくなると、筋肉の輪郭が見えるようになり、それを凹凸と感じることがあり、女性らしさがないと感じることもあります。
対応
脂肪の取りすぎによってできた凹凸の修正は非常に難しいため、過度に脂肪を取らないように手術をします。凹凸ができてしまった場合、凹んだ部分に脂肪を注入することで対応します。取り残された脂肪が目立つ場合は、その部分を脂肪溶解注射や脂肪融解レーザーで治療します。脂肪が少なくなったために筋肉が浮き出てしまった場合、修正はほぼ不可能です。
E) 知覚の麻痺・鈍さ、痺れ
手術は、皮下の脂肪の中を通る細かい知覚神経を引っ張って傷つけることがあります。そのため、吸引部周辺の知覚の麻痺や、痺れを生じることがあります。
対応
個人差はありますが、ほとんどの場合3~1カ月ほどで回復します。稀に、感覚が完全に元通りには戻らないということもあります。
F) 皮膚のタルミ
細くなった部分に合わせて皮膚は縮まっていきます。皮膚がたれるようなことは稀ですが、脂肪がなくなることで肌のハリがなくなる、シワが目立つことがあります。
対応
ウルトラフォーマー、余った皮膚を切り取るリフト手術等が必要です。
※ リフトの手術の場合は傷跡が残りますので、予めご了承下さい。
G) 皮膚の色素沈着
内出血が出ることは珍しいことではありません。通常3週間ほどで内出血は自然に回復します。稀に、内出血の血液の分解産物の色が皮膚の中に残って、茶色の色素沈着が続くことがあります。
対応
通常6~12カ月で薄くなっていきます。
H) 傷跡のもり上がり・へこみ・色素沈着
数ミリの傷跡が何カ所かにできます。傷跡がケロイドのように赤くもり上がる・茶色の色素沈着が起こる・傷跡が凹むことがあります。
対応
体質によって、傷跡がケロイドのように赤く盛り上がる場合があります。その場合は、ステロイド(ケナコルト)注射で対応します。ステロイド注射の副作用としては、傷が凹む・毛細血管が浮きでるといったことがあります。色素沈着が起きた場合は、色素を薄くする外用薬や肌のターンオーバーを早める外用薬を必要に応じて処方します。目立つ傷に対しては、再度切開し縫合する処置をします。
I) 皮膚の壊死
非常に稀に、過度の脂肪吸引や感染によって、吸引部分の皮膚にダメージが加わって、皮膚が死んでかさぶたになり、その後傷跡を残すことがあります。
対応
状態に応じた処置や対応をします。
J) テープかぶれ
術後、傷口を保護するためにテープを貼ります。皮膚の弱い方は、テープかぶれを起こす場合があります。水ぶくれができたり皮膚がむけたりすると、その後色素沈着を
起こすことがあります。
対応
色素沈着が起きた場合は、色素を薄くする外用薬や肌のターンオーバーを早める外用薬を必要に応じて処方します。