脂肪注入豊胸のリスク、トラブル一覧
A)感染(化膿)
術後、熱感・痛み・腫れ・赤みが増す、あるいは長引く場合には感染が疑われます。
対応
感染が起きた場合、内服薬服用や抗生剤を投与して経過をみます。膿がたまった場合、皮膚を切開して膿を出す処置をします。
B)血が溜まる
術後、皮膚の中で出血が起こると、傷の中に血が溜まって腫れ上がります。
対応
傷を開け、溜まった血を排出する処置をします。
C)物足りないと感じる
注入脂肪の生着率には個人差があり、予想外に吸収されて膨らみが足りなくなることがあります。
対応
再度脂肪注入するか、ヒアルロン酸を注入して膨らみを補う方法があります。大幅なバストアップを希望される方にはシリコンバッグ豊胸をおすすめします。
D)膨らみすぎたと感じる
注入脂肪の生着率には個人差があり、予想以上に生着して膨らみすぎてしまうことがあります。
対応
膨らみすぎた部分を脂肪吸引するか、脂肪溶解注射をする方法があります。
E)左右差
注入脂肪の生着率には個人差があり、左右差が生じることがあります。
対応
調整のため、再度脂肪注入する、ヒアルロン酸を注入する、脂肪吸引する、脂肪溶解注射をする等の方法があります。
F)皮膚の色素沈着
内出血が出ることは珍しいことではありません。通常2~3週間ほどで自然に回復します。稀に、内出血の血液の分解産物の色が皮膚の中に残って、茶色の色素沈着が続くことがあります。
対応
通常6~12カ月で薄くなっていきます。
G)傷跡の盛り上がり・へこみ・色素沈着
数ミリの傷跡が何カ所かにできます。傷跡がケロイドのように赤くもり上がる・茶色の色素沈着が起こる・傷跡が凹むことがあります。
対応
体質によって、傷跡がケロイドのように赤く盛り上がる場合があります。その場合は、ステロイド(ケナコルト)注射で対応します。ステロイド注射の副作用としては、傷が凹む・毛細血管が浮きでるといったことがあります。色素沈着が起きた場合は、色素を薄くする外用薬や肌のターンオーバーを早める外用薬を必要に応じて処方します。目立つ傷に対しては、再度切開し縫合する処置をします。
H)テープかぶれ
術後、傷口を保護するためにテープを貼ります。皮膚の弱い方は、テープかぶれを起こす場合があります。水ぶくれができたり皮膚がむけたりすると、その後色素沈着を起こすことがあります。
対応
色素沈着が起きた場合は、色素を薄くする外用薬や肌のターンオーバーを早める外用薬を必要に応じて処方します。
I)しこり
全体にまんべんなく脂肪を注入しますが、脂肪が塊になって、しこりとして触れる可能性があります。
対応
経過に問題はありませんが、気になる場合は、しこりを切り取ります。しこりに近い皮膚を切開する必要があるため、バスト表面に傷跡が残ります。
J)乳癌検診・マンモグラフィーに対する影響
乳癌検診・マンモグラフィーいずれの検査も問題なく受けられます。脂肪注入をすると小さな石灰化が起こることが少なくありません。それがマンモグラフィーのレントゲン写真に写ります。
対応
レントゲンを撮るときは誤解を避けるため、できるだけ申告して下さい。術後半年経過時点でのマンモグラフィー撮影をおすすめします。