乳房リフトのリスク、トラブル一覧
A)乳輪・乳頭の位置が低すぎる
乳輪・乳頭の好ましい位置は、体型やバストの大きさや形によって異なり、主観的な判断にも左右されます。そのため、乳輪・乳頭の位置が低すぎると感じることがあります。
対応
6ヶ月以上して明らかに乳輪・乳頭の位置が低すぎると感じた場合、乳輪の上側で皮膚を切り取って、高い位置に吊り上げる手術を検討します。乳輪に変形が残りますので、予め了承下さい。
B)乳輪・乳頭の位置が高すぎる
乳輪・乳頭の好ましい位置は、体型やバストの大きさや形によって異なり、主観的な判断にも左右されます。そのため、乳輪・乳頭の位置が高すぎると感じることがあります。
対応
6ヶ月以上して乳輪・乳頭の位置が高すぎると感じた場合、乳輪の周りを再度切開して、乳輪を低い位置へ縫いつける手術を行います。乳輪上部に傷跡が残りますので、予め了承下さい。
C)バストのボリュームが足りない
下垂したバストを持ち上げてもバスト全体のボリュームが足りないと、丸いきれいな形になりません。特にバストの上半分に凹みが残って、バストアップの効果が物足りなく感じることがあります。
対応
ボリュームが足りないと感じる場合、ヒアルロン酸注入・脂肪注入等で、乳房に膨らみを出すことができます。
D)バストが大きすぎる、垂れる
バストのボリュームが大きすぎると、吊り上げたバストが重みで垂れ下がりやすくなります。特にバストの下半分にボリュームが出て、垂れて見えます。
対応
大きすぎると感じる場合、脂肪吸引でボリュームを減少できます。乳房縮小術を行い、皮膚だけでなく乳腺組織を切り取ってバストを小さくすることも可能です。リフトや縮小を行っても、皮膚や乳腺にハリがないとバストの垂れが十分修正できないことがあります。
E)バストサイズ、左右差
元々のバストの左右差により、仕上がりのバストサイズや乳輪・乳頭の位置に左右差が生じることがあります。左右差は、切除した皮膚のデザインや大きさのズレによることもあります。
対応
左右差が気になる場合は、状態により上記A、B、Cに準じます。修正手術を行ったとしても、完全に左右対称にならないことをご理解下さい。
F)傷跡が気になる
傷跡が赤く盛り上がる、段差や凹みができる、色素沈着、ギャザー(シワ)ができる、dog ear(傷の端の盛り上がり)ができる等、傷跡が目立つ場合があります。
対応
体質によって、傷跡がケロイドのように赤く盛り上がる場合があります。その場合は、ステロイド注射で対応します。ステロイド注射は、傷が凹む・毛細血管が浮きでるといった副作用があります。色素沈着が起きた場合は、色素を薄くする外用薬や肌のターンオーバーを早める外用薬を必要に応じて処方します。目立つ傷に対しては、再度切開し縫合する処置をします。傷跡に沿って、皮膚が寄ってギャザーのようなシワができた場合、傷をバストの皮膚の方へ伸ばします。手術を行うことにより、傷跡が長くなることを予めご了承下さい。傷を完全に無くすことはは不可能であり、目立たなくする目的であることをご理解下さい。個人の体質的な要因が大きいため、傷跡の修正には限界があります。
G)感覚麻痺
皮膚の下で細かい知覚神経をカットしますので、バストの皮膚表面や乳輪・乳頭の知覚が鈍くなることがあります。
対応
半年〜1年ほどで時間の経過とともに感覚が戻ってきます。日常生活には問題ない程度ですが、完全には回復しない場合もあります。
H) 乳首や胸の組織・皮膚の壊死
手術によって皮膚のつっぱりが強くなり、一時的にバストの血流が悪くなるので、乳頭やバストの乳腺・皮下脂肪・皮膚の壊死を引き起こす可能性があります。喫煙や術後の強い腫れ、大量の血が溜まること等で壊死の危険が高くなります。
対応
バストの皮膚、特に乳輪・乳頭のピンク色が失われて白っぽくなったり、黒ずんだりして血行不良が疑われる時は、壊死が起こる前に処置を行う必要があります。早めにご来院いただき、皮膚の緊張を緩める処置をします。壊死が起こった場合は、状態により必要な処置をします。壊死した組織は、感染の原因となるので切除します。ほとんどの場合、壊死する範囲は小さいので、周の皮膚が伸びて傷が塞がるのを待ちます。傷の治りを早める外用薬を処方します。乳頭組織が欠損した場合、皮膚移植や乳輪の皮膚を使った乳頭再建術を行います。壊死した範囲が大きい場合、植皮術を行います。
I) 乳輪の輪郭がくっきりする
本来、乳輪と周囲のバストの境界には自然なグラデーションがあります。手術後には、この境界がくっきりし、乳輪の形も丸くなります。
対応
バストの吊上げに伴って避けられない変化であることをご理解下さい。
J) 乳輪の形の変形
縫合した時に乳輪が引っ張られ、乳輪が変形する可能性があります。
対応
変形が気になる場合、乳輪の形を整える手術を行います。手術後は、傷跡が長くなることを予めご了承下さい。
K)感染(化膿)
術後、熱感・痛み・腫れ・赤みが増す、あるいは長引く場合には感染が疑われます。
対応
感染が起きた場合、内服薬服用や抗生剤を投与して経過をみます。膿がたまった場合、皮膚を切開して膿を出す処置をします。
L)血が溜まる
術後、皮膚の中で出血が起こると、傷の中に血が溜まって腫れ上がります。
対応
傷を開け、溜まった血を排出する処置をします。
M)傷が開く
稀に、糸が外れて傷が開いてしまうことがあります。
対応
傷が開いた場合は、再度縫合します。
N)中縫いの糸が出てくる
皮膚の下の組織を縫い合わせている糸が出てくることがあります。
対応
糸が出てきた場合、そのままにしておくと化膿する恐れがありますので、早めに抜糸を行います。